モバイルシステム技術検定1級の難易度は?
科目別の合格率は約5割。2級合格が前提の高度な試験
- 1級の合格率は科目ごとに公表されています(MCPC の2024年3月の資料)。ネットワーク48.1%、端末・アプリケーション47.6%、モバイルシステム53.8%で、どの科目も約5割です。
- 2級の合格率は60.7%なので、2級よりも低めです。しかも1級は2級に合格した人だけが受ける試験で、必要な知識は高度情報処理技術者試験の取得相当とされています。
- 難しくなる理由は、高度な知識レベル・広い範囲・1科目43問を60分で解く時間の3つです。
科目別の合格率から見た位置
MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)は、検定ごとの合格率を公表しています。2024年3月の資料では、1級は科目ごとの数字が載っています。
1級は、ネットワークが48.1%、端末・アプリケーションが47.6%、モバイルシステムが53.8%です。MCPC の検定の中では、IoTシステム技術検定の上級(48.9%)と並んで低いほうです。どの科目も受けた人の約半分が合格する試験で、2級に合格した人だけが受けることを考えると、決してやさしくありません。
難しくなる3つの理由
知識レベルの高さ: MCPC の公式ページでは、1級に必要な知識レベルを、IPA の高度情報処理技術者試験(ITストラテジスト・システムアーキテクト・ネットワークスペシャリスト)の取得相当としています。合格者は、システムエンジニア関連の業務なら4年以上、営業なら6年以上の知識レベルに相当するとされ、顧客の要求を理解し、課題を整理して、システム構築・運用のリーダーとして動ける水準です。
範囲の広さ: 3科目に、無線アクセスやコアネットワークなどの通信、端末の要素技術と開発手法、システムの要件定義・開発・運用、関連する法制度までが入ります。2級にはない「システムを企画・構築・運用する」側の知識が加わります。
時間の短さ: 1科目43問を60分で解くので、1問にかけられるのは平均約84秒です。4つの選択肢には似た用語が並ぶため、知っている問題を迷わず解けるところまで仕上げておかないと、最後まで届きません。
どんな人が苦労しやすいか
- 通信は得意でも、システム開発・運用や法制度に触れていない人: モバイルシステム科目で、用語から覚えることになります。
- 端末やアプリケーションの開発に触れていない人: 端末・アプリケーション科目の開発手法が、2級より深く問われます。
- 2級のテキストの知識で足りると考える人: 1級は別のテキストで、2級の用語の説明より一段詳しい内容が出ます。
難しさに合わせた勉強の仕方
| 難しくなる理由 | 対策 |
|---|---|
| 知識レベルが高い | 公式テキスト(エキスパート編)の該当章を読み、用語を説明できるところまで確かめる |
| 範囲が広い | 3科目に分け、受ける科目の章に絞って1科目ずつ仕上げる |
| 時間が短い | 1科目43問・60分を目安に、時間を計って章の問題を解く |
科目合格制なので、全体を一度に仕上げる必要はありません。得意な科目から1科目ずつ受け、結果を見ながら次の科目の準備を進められます。
合格点の考え方は「合格点は?合格基準は非公開、科目ごとの目安」、勉強の計画は「勉強時間の見積もりと科目ごとの計画」にまとめています。
第1章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第1章(無料体験)の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
広域に設置された多数のIoTデバイスから小容量のデータを低消費電力かつ低コストで収集する際、従来の携帯電話網や近距離無線(Bluetooth等)を補完するアクセス手段として用いられる通信技術群は1である。
答えと解説を見る
正解は 1(LPWA)です。
【概要】
LPWAは、広い範囲に置かれたIoTデバイスから少量のデータを低消費電力で集めるための無線通信技術である。IoTのアクセス手段として、無線LANや近距離無線とともに使われる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. LPWA正解あなたの解答 LPWAはIoT用の無線通信回線であり、送受信量の少ないIoTデバイスの通信手段として広く用いられている。
- 2. Web3あなたの解答 Web3は暗号資産やNFTで新たな経済活動を実現する価値のインターネットであり、通信技術群ではない。
- 3. EMMあなたの解答 EMMはモバイル端末の業務利用を安全にする運用管理ツールであり、IoTデバイスのデータ収集手段ではない。
- 4. MAMあなたの解答 MAMはマルウェア侵入や業務データの不正利用のリスクに対応する管理機能であり、無線通信技術ではない。
問2
モバイル端末上で動くアプリケーションの開発において、iOSやAndroidなどの異なるOS環境に対して個別のネイティブコードを記述することなく、ブラウザを介して互換性と移植性を確保しながら複雑なUIや機能を実現する記述言語規格は1である。
答えと解説を見る
正解は 3(HTML5)です。
【概要】
HTML5の普及により、複雑なソフトウェアも作りやすくなり、ブラウザ上での互換性と移植性が保証されるようになった。OSの違いがあってもブラウザを通じて同じアプリを動かせる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. CSS3あなたの解答 CSS3はWebページの見た目やレイアウトを指定するスタイルの言語であり、アプリの構造や機能を記述する規格ではない。
- 2. XMLあなたの解答 XMLはタグでデータの構造を表すマークアップ言語であり、ブラウザ上で動くアプリを作る記述言語規格ではない。
- 3. HTML5正解あなたの解答 HTML5は2014年に最終勧告されたWebの記述言語であり、ブラウザ上の互換性と移植性によりOSの違いを越えて動く。
- 4. JSONあなたの解答 JSONはデータを軽量なテキスト形式で表すデータ交換形式であり、UIや機能を記述する言語規格ではない。
第1章の44問は、登録なしでそのまま解けます。解説と図解も同じ形で付いています。
よくある質問
1級の合格率はいくつですか?
MCPC の2024年3月の資料で、科目ごとに公表されています。ネットワーク48.1%、端末・アプリケーション47.6%、モバイルシステム53.8%です。3科目をまとめた1級認定の合格率は、確かめた範囲では見つかりませんでした。
2級より難しいですか?
科目別の合格率は2級(60.7%)より低く、受検資格は2級の合格者です。必要な知識レベルも、2級の基本情報技術者試験相当から、高度情報処理技術者試験相当へ上がります。同じ合格率でも、受ける人の水準が違う点に注意してください。
通信の仕事をしていない人でも合格できますか?
2級に合格していれば受けられます。ただ、1級にはシステムの要件定義・開発・運用や法制度の範囲があり、通信の知識だけでは足りません。受ける科目を絞って、1科目ずつ仕上げる進め方が考えやすくなります。
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次に読む
モバイルシステム技術検定1級の合格点(合格基準)は公開されていません。3科目の科目合格制なので合否は科目ごとに出ます。科目別の合格率から難しさを読み、科目ごとに何割を目標にすればよいかをまとめました。
モバイルシステム技術検定1級の勉強時間は、公式の目安がありません。2級の目安との比べ方と、3科目の科目合格制を使って科目ごとに分ける計画の立て方を、もちこ道場の見積もりとしてまとめました。
モバイルシステム技術検定1級の公式テキストは『モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版』(2023年7月発売)です。2級のテキストとは別の本です。全12章の内容と、3科目との対応をまとめました。
ほかの資格の難易度: モバイルシステム技術検定2級 ・ IoTシステム技術検定 基礎 ・ IoTシステム技術検定 中級 ・ モバイル技術基礎検定 ・ スマートフォン・モバイル実務検定 ・ アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験Lv.1
試験の日程・受験料・合格率などの公式の情報は、2026年10月27日にMCPC の公式ページで確認しました。最新の情報は公式ページで確かめてください。