第1章 はじめにの要点
5G・EPC と 5GC・EMM の用語を整理
- 第1章は、モバイルシステムの全体像と検定の位置づけを説明する概説の章です。5G・コアネットワーク・端末とアプリの開発・セキュリティ・IoT・Web3 を広く扱います。
- NSA と SA、EPC と 5GC、MDM と MAM と EMM のような、似た用語の役割の違いが問われます。
- 用語は6つのまとまりに分けると覚えやすくなります。くわしい技術は第2章以降で出てきます。
この章で問われること
第1章「はじめに」は、モバイルシステムの全体像と、モバイルシステム技術検定の位置づけを説明する概説の章です。5G・コアネットワーク・端末とアプリの開発・セキュリティ・IoT・Web3 といった話題を広く浅く取り上げ、くわしい技術は第2章以降で扱います。
もちこ道場の模擬試験(60問・60分)では、第1章からの出題は0問です。概説の章なので、本番でも直接の出題は少ないと予想しています。ただし、ここで出る用語(NSA と SA、EPC と 5GC、EMM など)は後の章でくわしく問われるので、第1章は用語の入口として読んでおくと後が楽になります。
出てくる話題は、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. 5G とローカル5G
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| eMBB・URLLC・mMTC | 超高速・超高信頼低遅延(1ミリ秒程度)・多数同時接続(1平方kmあたり100万台以上)の、5G の3つの特徴 |
| ローカル5G | 企業や自治体が、自分の敷地や施設の中に作る 5G(ドローン映像の点検や工場の遠隔操作など) |
| Beyond 5G / 6G | 5G の次の世代。さらに高い周波数を使う方向で、世界共通の仕様が検討されている |
2. コアネットワークの進化
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| EPC | 4G のコアネットワーク。データとパケット化した音声を処理する |
| 5GC | 5G 専用のコアネットワーク |
| NSA 構成 | 5G の基地局を、4G の EPC と組み合わせて使う(導入初期の形) |
| SA 構成 | 5G の基地局と 5GC だけで動く |
| ネットワークスライシング | コアネットワークを目的ごとに論理的に切り分け、サービスごとの仮想ネットワークにする |
3. 端末とアプリケーションの開発
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| HTML5 | OS ごとに別々のコードを書かず、ブラウザ上で動かせる。互換性と移植性が高い |
| Python | IoT デバイスで、機械学習や仮想マシンとの相性から使われることが増えた言語 |
4. セキュリティと運用管理
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| EMM | 業務で使う端末を安全に運用する管理ツールの総称。企業の運用ポリシーを行き渡らせる |
| MDM | EMM の機能の1つ。端末そのものを管理する(盗難・紛失への対策など) |
| MAM | EMM の機能の1つ。アプリとデータを守る(マルウェアや不正利用への対策) |
5. IoT・AI・Web3
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| LPWA | 少量のデータを、低消費電力・低コストで広い範囲から集める無線通信 |
| IoT デバイス | センサ・プロセッサ・通信モジュール・電源がひとまとまりになったもの |
| ブロックチェーン | 特定のサーバを介さず、参加するノードどうしで直接データをやり取りして分散して保持する |
| P2P | ノードどうしが直接通信する方式(ブロックチェーンの土台) |
6. MCPC とモバイルシステム技術検定
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| MCPC | モバイルコンピューティング推進コンソーシアム。検定を実施し、USB やBluetooth ハンズフリーの標準化などにも取り組む |
| 1級 | 顧客の要求を分析して課題を整理し、システムの企画・提案と運用の指導をリーダーとして進める水準 |
| SMC | シニアモバイルシステムコンサルタント。1級合格者が認定研修を経て目指す最上位の資格 |
取り違えやすい組み合わせ
第1章は、似た用語の「役割」の違いを問う形が目立ちます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| NSA と SA | 4G の EPC を使う(NSA)か、5GC だけで動く(SA)か |
| EPC と 5GC | 4G のコアネットワークか、5G 専用のコアネットワークか |
| MDM と MAM | 端末そのものを管理する(MDM)か、アプリとデータを守る(MAM)か |
| EMM と MDM | EMM は全体の管理ツール、MDM はその中の機能の1つ |
| ネットワークスライシングとキャリアアグリゲーション | コアネットワークを論理的に分ける(スライシング)か、周波数の帯域を束ねて速くする(CA)か |
| LPWA と近距離無線 | 広い範囲・少量・省電力(LPWA)か、手元の短い距離(Bluetooth など)か |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 第1章の44問は登録なしで解けます。解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。
第1章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第1章(無料体験)の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
業務で利用するスマートフォンやタブレットのセキュリティ対策において、端末本体の盗難・紛失対策を行うMDMや、アプリケーションの不正利用・マルウェア感染を防ぐMAMなどの機能を統合し、企業の運用ポリシーを一元的に適用・管理する仕組みは1である。
答えと解説を見る
正解は 2(EMM)です。
【概要】
業務用のモバイル端末を安全に使うための運用管理ツールがEMMである。端末を管理するMDMやアプリとデータを守るMAMなどを含み、企業の運用ポリシーを端末に行き渡らせる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. LPWAあなたの解答 LPWAは少量のデータを低消費電力で広域に送るIoT向けの無線通信技術であり、端末管理の仕組みではない。
- 2. EMM正解あなたの解答 EMMはMDMやMAMなどの機能を含む業務端末の運用管理ツールであり、企業の運用ポリシーを守らせて安全性を保つ。
- 3. PWSあなたの解答 PWSは緊急情報を携帯端末へ一斉に届ける警報配信の仕組みであり、業務端末を統合管理するツールではない。
- 4. SMCあなたの解答 SMCはモバイルシステム技術検定の最上位資格を指す略称であり、端末の運用管理ツールではない。
問2
5Gのスタンドアローン(SA)構成において、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続といった多様な要求条件を持つサービスごとに、コアネットワークの機能を論理的に分割して独立した仮想ネットワークを提供する技術は1である。
答えと解説を見る
正解は 2(ネットワークスライシング)です。
【概要】
ネットワークスライシングは、5Gで目的ごとに最適なコアネットワークを論理的に切り分けて構築する技術である。超高速・超低遅延・多数同時接続を組み合わせたサービスを効率よく提供できる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. キャリアアグリゲーションあなたの解答 キャリアアグリゲーションは複数の周波数帯を束ねて通信速度を上げる技術であり、コアネットワークを分割するものではない。
- 2. ネットワークスライシング正解あなたの解答 ネットワークスライシングは目的に合わせてコアネットワークを論理分割する技術であり、5Gの多様なサービスに対応する。
- 3. CSフォールバックあなたの解答 CSフォールバックはLTE端末が通話時に回線交換の網へ切り替える仕組みであり、網の論理分割ではない。
- 4. マルチアクセスエッジコンピューティングあなたの解答 マルチアクセスエッジコンピューティングは利用者の近くで処理して遅延を減らす技術であり、網の論理分割ではない。
第1章の44問は、登録なしでそのまま解けます。解説と図解も同じ形で付いています。
よくある質問
第1章は、本番でどのくらい出ますか?
もちこ道場の模擬試験では第1章から出していません。概説の章なので、本番でも直接の出題は少ないと予想しています。ただし、第1章の用語は第3章(コアネットワーク)や第9章以降でくわしく問われるので、飛ばさずに一度は読んでおくのがおすすめです。
NSA 構成と SA 構成は、何が違いますか?
NSA 構成は、5G の基地局を4Gのコアネットワーク(EPC)と組み合わせる形で、5G の導入初期に多く使われました。SA 構成は、5G の基地局と5G 専用のコアネットワーク(5GC)だけで動く形です。ネットワークスライシングなどは SA 構成で使います。
EMM、MDM、MAM はどう違いますか?
EMM は、業務用の端末を安全に使うための管理ツールの総称です。その機能として、端末そのものを管理するのが MDM、アプリとデータを守るのが MAM です。
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モバイルシステム技術検定1級の第2章「無線アクセスネットワーク技術」で問われる用語を、6つのまとまりと取り違えやすい組み合わせで整理しました。第2章の問題を2問、その場で解いて確かめられます。
モバイルシステム技術検定1級の公式テキストは『モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版』(2023年7月発売)です。2級のテキストとは別の本です。全12章の内容と、3科目との対応をまとめました。
モバイルシステム技術検定1級の勉強時間は、公式の目安がありません。2級の目安との比べ方と、3科目の科目合格制を使って科目ごとに分ける計画の立て方を、もちこ道場の見積もりとしてまとめました。
出題範囲は、2026年10月27日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。