第5章 モバイル端末・周辺技術の要点
D2D と M2M、HI と MI、位置登録とページを整理
- 第5章は、端末の種類と通信形態、人との接点(HI)、機器との接点(MI)、センサまでを扱う章です。もちこ道場の分け方では、端末・アプリケーション科目の入口にあたります。
- D2D と M2M、HI と MI、位置登録とページのような、似た言葉の区別が問われます。
- 用語は「端末の種類」「遠隔通信」「HI」「MI」「センサ」「部品」の6つに分けると覚えやすくなります。
この章で問われること
第5章「モバイル端末・周辺技術」は、端末とは何かを分類し、人との接点(HI)、機器との接点(MI)、センサ、部品までを扱う入口の章です。電波の仕組みよりも、端末そのものの役割と周りにつなぐ方法が中心です。
本番は1科目43問です。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、端末・アプリケーションにあたる第5〜8章から5問ずつ、合わせて20問を出しています(科目との対応はもちこ道場の分け方です)。この配分を本番に当てはめると、この章からは11問前後と予想しています。科目の約4分の1です。
用語は、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. 端末の種類と通信形態
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| H2H・H2M | 人と人、人と機械のやり取り |
| M2M | 人を介さず、機械どうしが自律して情報を交換する |
| D2D | 基地局などの中継を使わず、端末どうしが直接つながる(災害時に近くの端末と通信できる) |
| 情報通信端末と情報処理端末 | 遠くとつなぐための端末と、計算で人の処理を助ける端末(PC・タブレットなど) |
| モバイル接続機器 | 通信機能のないPCなどに付けて、遠隔への接続能力を与える。テザリングは、通信機能のある端末を接続機器として使う例 |
| 情報収集端末 | 離れた場所の変化を自律的に集めて送る。センサネットワーク端末・車載端末など |
2. 遠隔通信に必要な機能
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| アクセス番号 | 固定電話は設置場所に、移動通信は端末(利用者)に割り当てる。居場所が変わっても同じ番号で通じる |
| 位置登録エリア | 一斉呼出しのため、複数のセルをまとめた論理的な範囲。移ったことを端末が検知すると位置登録を要求する |
| ページ・ページ応答 | 着信時に網が該当エリアのセルから端末の識別情報を呼び出し(ページ)、端末が応答する |
| デマンド・アサイン | 通信するときだけチャネルを割り当てる。利用効率は高いが、混雑すると接続できないことがある |
| 可変情報速度性 | 音声の話す・黙るや動画の動きの多さで、送る情報量が時間とともに変わる性質 |
3. ヒューマン・インタフェース(HI)
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 情報認識能力 | 端末が示す情報を人が正しく受け取れること(表示の細かさや切り替わる速さが関わる) |
| タッチパネルの操作 | 軽く叩く(タップ)、触れたままなぞる(ドラッグ)、2点の間隔を変えて拡大・縮小する |
| 文字モード切替え | キーの数が少なくても、文字の種類を切り替えて多くの文字を入力する |
| 振動 | 音を出さずに着信を知らせる触覚的な出力。リズムを変えて区別できる |
| スマートグラス・HMD | 頭に付ける出力機器。スマートグラスは AR に対応した眼鏡型 |
4. マシン・インタフェース(MI)
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| MI | 端末と周辺の機器をつなぐ。HIより高速で確実性が高い |
| 専用と汎用 | 機器ごとのケーブルを使うのが専用、共通のケーブルで多くの機器をつなぐ代表が USB |
| 電波と赤外線 | 電波は遮蔽物があっても届く。赤外線は見通しが必要 |
| Bluetooth SIG | Bluetooth の仕様を作り、互換性の確保や認証を進める団体 |
| CSMA/CA | 無線LANで、衝突を検出できないことを前提に、空きを確かめ、ランダムに待ってから送る |
5. センサ
スマートフォンには、位置・向き・動きを知るためのセンサが入っています。回転の動きをとらえるのはジャイロセンサです。
6. 端末の部品
端末は小型化・軽量化が進み、無線の方式をソフトウェアで切り替えるソフトウェア無線(SDR)のような考え方も使われます。
取り違えやすい組み合わせ
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| D2D と M2M | 端末どうしが直接つながるか(D2D)、人を介さず機械が自律してやり取りするか(M2M) |
| H2H と H2M | 相手が人か(H2H)、機械か(H2M) |
| HI と MI | 人との接点か(HI)、機器との接点か(MI) |
| 位置登録とページ | 端末が居場所を知らせるか(位置登録)、網が端末を呼び出すか(ページ) |
| モバイル接続機器と情報収集端末 | PCなどに付けて通信を補うか、自分で集めて送るか |
| 電波と赤外線 | 遮蔽物があっても届くか(電波)、届かないか(赤外線) |
| タップとドラッグ | 叩いて選ぶか(タップ)、触れたままなぞるか(ドラッグ) |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。
第5章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第5章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
固定加入者電話システムと移動通信システムにおけるアクセスの仕組みの違いに関する問題である。固定電話のアクセス番号が地理的な設置場所に対応しているのに対し、移動通信システムではアクセス番号が1に対応して割り当てられているため、居場所(在圏場所)にかかわらず同一番号での通信が可能となる。
答えと解説を見る
正解は 1(端末(ユーザ))です。
【概要】
移動通信システムでは、電話番号などのアクセス番号が移動するユーザ端末ごとに対応付けられる。そのため相手がどこにいても同じ番号で接続でき、事業者のシステムが居場所に応じて自動でつなぐ。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 端末(ユーザ)正解あなたの解答 端末(ユーザ)は、移動通信で番号が対応付けられる対象であり、在圏場所が変わっても同一番号で通信できる。
- 2. アクセスポイント(基地局)あなたの解答 アクセスポイント(基地局)は、端末が無線で接続する地点であり、番号の対応先ではない。
- 3. 交換機あなたの解答 交換機は、通信を中継・接続する網側の装置であり、ユーザごとに付与される番号の対応先ではない。
- 4. 位置登録エリアあなたの解答 位置登録エリアは、一斉呼出しのためにセルをまとめた論理的な範囲であり、番号の対応先ではない。
問2
モバイル端末を介したコミュニケーション形態の分類に関する問題である。端末同士が基地局やアクセスポイントなどのインフラ設備(中継装置)を介さずに、互いに直接電波を届かせて通信を行う形態は1と呼ばれる。災害時等でネットワークインフラが途絶した場合でも近隣端末間での通信が可能という特徴がある。
答えと解説を見る
正解は 2(D2D(Device to Device))です。
【概要】
D2Dは、端末同士が基地局などの中継装置を使わず直接やり取りするコミュニケーション形態である。一定距離内でしか使えないが、災害で基地局が使えなくても近くの端末間で通信できる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. H2M(Human to Machine)あなたの解答 H2Mは、人が端末を通じて遠隔の機械と情報をやり取りする形態であり、端末同士の直接通信ではない。
- 2. D2D(Device to Device)正解あなたの解答 D2D(Device to Device)は、端末間で直接通信する形態であり、インフラ途絶時も近隣で通信できる。
- 3. M2M(Machine to Machine)あなたの解答 M2Mは、人を介さず端末とセンタ装置などが自律して情報交換する形態であり、中継装置を介さないことが要点ではない。
- 4. H2H(Human to Human)あなたの解答 H2Hは、人と人が目の前で対話するように行うコミュニケーション形態であり、端末間の直接通信を指す語ではない。
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よくある質問
第5章は第6章とどうつながっていますか?
第5章は端末の外から見た役割と接点を扱い、第6章は端末の中身(チップ、OS、SIM)を扱います。第5章で端末の全体像をつかんでから第6章に進むと、中身の話が読みやすくなります。
D2D は M2M の一種ですか?
同じものではありません。D2D は、基地局を通さず端末どうしが直接つながることに注目した言葉です。M2M は、人が操作せず機械どうしが自律して情報をやり取りすることに注目した言葉です。
MI と HI は、どちらが速いですか?
MI のほうが一般に高速で確実性が高いとされます。HI は人の認識や表現の能力に合わせて作るため、機器どうしのやり取りとは求められるものが違います。
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